富士見ファンタジア文庫30週年記念で企画された、本編完結から18年目にして発売となった特別巻。
いや、なんというか。読んでてブランクをほとんど感じなかったのがすごい。話の展開も登場人物たちの言動も以前のノリそのままで、最初から最後まで楽しかったです。
話としては、2部のメンバーは、まあ、状況や経過時間的に登場が叶いませんでしたが、1部&アニメで活躍したアメリア&ゼル(+α)が登場し、かつて手こずった敵の亜種(と表現していいのかな、あれは)と激闘を繰り広げるという流れで、オールスター集合しての映画版あるいはテレビドラマの時間拡大版的な印象。2部ラストで呪符を失ったことで使えない術は増えているものの、そんなハンデを感じさせず強かにハッタリで状況を動かしていくリナや相変わらず剣技に能力全振りのガウリイ、そこに加わるかつての仲間であるアメリアとゼル、共闘するエルフのアライナ。彼女たちが繰り広げる掛け合いも、相手の出方を読み合いながらの戦闘も、どちらも軽妙なテンポで楽しめました。完全なハッピーエンドとはいかない、ほんのりビターな結末もまた良し。
思いがけずに読めた本編の続き、思い出補正も少なからずあると思いますが本当に楽しかったし、懐かしかった。この後の話もまたいつか、何かの形で読めると嬉しいな、と思います。………割と真面目に、ここから第3部始まってもいいんじゃないですかね?
The post 『スレイヤーズ16 アテッサの邂逅』[神坂一/富士見ファンタジア文庫] first appeared on 趣味の店・空想堂.